「食品メーカーに入るのに役立つ資格って何か無いのかな?」
「採用されるために役立つ、本当にリアルな情報が欲しい」

私も過去、全く同じことを思っていました
入りたい食品メーカーがあるけど、私の持っている資格、目指している資格は採用に有効なのかな?
そう考える方向けに
・就活に有利になる資格を厳選して3つ
・取得しても意味がない資格を3つ
食品メーカーに15年勤めた経験をもとに、元中の人の主観でお伝えします。
結論、食品メーカーへの就職に有利になる資格は管理栄養士・TOIEC・普通運転免許証です。
理由は記事の中で解説していきます。
なお、前提として
という基準で、情報を発信いたします。
具体的に言えば、サントリー、明治製菓、味の素のような会社が対象です。
この記事を読むことで皆様の就活が一歩前に進みますので、ぜひ最後までご覧ください。
食品メーカーに採用されるには資格は必要?
そもそも食品メーカーに採用されるために
・資格は必要
・資格は不要
それぞれ主張があります。
結論、
・どの規模の食品メーカーか
・目指す部署はどこか
・加工食品会社か
・惣菜を開発するメーカーか
などにより、ケースバイケースとなってしまいます。
ですが新卒が、一般的にCMなどで名前を聞くような加工食品メーカーに入るという前提で言うならば、持っていた方が有利になる資格はあります。
ただ注意して欲しいのは、他の就活生に比べて明確に差別化をはかれる資格は無いということです。
主観で語りますが、これからおすすめする資格を持っていることで、採用になる確率は5%〜10%向上するかもというレベルです。
私自身は大きな差だと思いますが、この差を大きいと捉えるかどうかはみなさん次第です。
就活に有利になる資格3選
就活に有利になる可能性の高い資格は、以下の3つです。
①管理栄養士
②TOIEC
③普通運転免許証
順番に解説していきます。
①管理栄養士
管理栄養士は病院や福祉施設、社員食堂など、幅広い就職の選択肢を持てる、いわゆる「つぶしが効く」資格です。
その中でも食品メーカーに勤める管理栄養士は、主に商品の研究開発の仕事に携わります。
例えば日清オイリオグループ株式会社の採用ページを見ると、先輩インタビューには、業務用機能性油脂を開発する管理栄養士の方が紹介されています。


業務内容としては、調理評価、官能評価、物性の分析を繰り返し行なっているとのことです。
栄養学科の管理栄養士専攻卒とのことなので、大学での専攻+管理栄養士資格が就活に役立った事例ですね。
またカゴメ株式会社には管理栄養士ラボという、管理栄養士資格保持者だけで組織された専門チームがあります。


カゴメ管理栄養士ラボの活動内容は、セミナー、講演・研修、料理教室、食イベント監修など多岐に渡ります。
また営業支援としてバイヤー商談を支援する管理栄養士もおり、活躍の幅は広いと言えます。
加工食品メーカーに勤めていて感じたのは、管理栄養士がこの先さらに市場から求められるだろうな、ということです。
なぜなら
・中食(家の中で調理)
・惣菜
・健康
以上3つの需要がトレンドとなり、食品業界がどんどん専門性の求められる市場に変化してきているからです。
具体的に言えば、これからの食品メーカーは「管理栄養士監修」という商品を多く発売することが予想されます。
また私の親類の話ではありますが、特保・機能性成分の研究及び、メーカーへの提案業務を行なう会社に勤めている管理栄養士もいます。
近年の市場の動きから考えても、やはり管理栄養士資格は食いっぱぐれない、手堅い資格だなと思わされます。
②TOIEC
食品メーカーはこの先、国内の市場が先細ります。
なぜなら少子高齢化に伴う人口減少により、日本人の胃袋の数は年々減っていくからです。
つまり海外に販路を広げることがこれからの食品メーカーの生き残る道となりますので、海外事業部を希望する人材は採用されやすくなってきています。
そんな中、海外に留学経験がある、外国語に強い、といった人材は食品メーカーにとっては貴重です。
秋採用で採用する会社も有り、採用の幅も広がっております。
海外事業部で働くためにTOIECでどの程度の点数を取れば良いのかですが、私自身がTOIECの公式HPで「海外事業部で働けるレベルの点数」をアンケートに答えて出してみました。
結果はTOIEC700点〜795点でした。


ただし、大手の超大企業の場合は、850点以上ないとアピールにはならないかと個人的には思います。
なお海外事業部でなく総合職採用となった場合も、TOIECの点数が無意味、というわけではありません。
TOIECはまともな人事担当なら何点から価値があるかは把握しておりますし、もし学歴で1歩出遅れているな・・・と感じる場合は、高得点を取っていれば、きちんと努力できる人材だという証としてアピールできます。
私も大手メーカーに在籍中は、上司から「総合職でも皆、英語力を身につけろ!」と口酸っぱく言われていたので、今後さらにTOIEC資格が重視される可能性もあります。
③普通運転免許証
意外に思われるかもしれませんが、普通運転免許証は、就活生が取っておいたほうが良い資格のNo.1です。
特に営業職の場合、車が無いと電車で移動することになり、重い試食サンプルをかついで回るという重労働になってしまいます。
また地方都市で営業する場合は、そもそも電車で行ける小売店の本部や店舗はあまり無く、実質営業不可能となってしまいます。
参考までに、採用担当者100名に対し、普通運転免許を重視しているかアンケートを取った結果がこちらです。


これを見ると、6割以上の採用担当者が、普通運転免許を学生の時に取っておいたほうが良いと判断しています。
理由は
・営業職には必須
・出張などの際に何かと必要になる
・社会人になってからだと取得する時間が無い
などの理由です。
免許の有り無しで採用可否が決まってしまうほど決定的なものではありませんが、結論、持っていて損はない資格なことは確かです。
私は営業職の15年間、毎日運転して売上とお給料を稼いでいた為、自動車運転免許は最もコスパの良い資格と感じています。
就活に有利にならない資格3選
加工食品がメインのメーカーに新卒で入るという条件下だと不要な資格も出てきます。
ここでは世間的に「食品メーカーに入るならこの資格は取っていくといいよ!」と言われがちな資格で不要なものを、ピックアップしてお伝えします。
結論から言うと以下の3つです。
①食品表示検定
②調理師
③フードコーディネーター
こちらも順番に解説していきます。
①食品表示検定
食品表示検定は、食品表示法に基づく法律を学び、正しいラベルの表示方法を身につけるための民間資格です。
この資格の知識は、食品メーカー社員としての専門性を高める意味では必要です。
しかし働くうちに徐々に周りに教えてもらったり、勉強できることなので、新卒採用の場面では全く役に立ちません。
もし「採用されやすくなるかもしれない」と考えて食品表示検定を受けようとしている方がいるのであれば、すぐにやめてください。
はっきり言いますが、時間の無駄になってしまいます。
その時間をもっと有効利用して、自己分析や面接対策に当てた方がよっぽど有益です。
②調理師
第一条 この法律は、調理師の資格等を定めて調理の業務に従事する者の資質を向上させることにより調理技術の合理的な発達を図り、もつて国民の食生活の向上に資することを目的とする。
出典:厚生労働省 調理師法
調理師は国家資格ですが、食品メーカーへの就活には不要です。
なぜなら調理師資格はレストランや居酒屋など、外食産業向けの資格だからです。
調理師はあくまでも、安全に調理ができることの証として取得するものです。
食品メーカーには調理をする部署・場面が少ないため、特に役立ちません。
仮に毎日調理をすることが必須になったとしても、調理師免許が無くとも全く問題ありません。
また合格率6割程の取得しやすい資格なので、新卒採用時に有利にはなりません。
③フードコーディネーター
フードコーディネーターとは
~新しい食の「ブランド」「トレンド」を創る~
食の「開発」「演出」「運営」のクリエーターです
出典:日本フードコーディネーター協会
フードコーディネーターは民間資格となります。
こちらも新卒の食品メーカー就職では有利になりません。
私の勤めていた食品メーカーで、この資格を取得している人には一人も会ったことがありませんでした(同業他社の人にもいませんでした)
資格を通じて食に関する勉強をするのは悪く無いことだとは思います。
しかし食品メーカーで働く上では、業務に直結する知識は特に得られない可能性が高いです。
フードコーディネーター資格は、料理や店舗プロデュースを仕事とする方が権威付けのために利用していることが多いです。
まとめ
食品メーカーに新卒入社する際に、有利になる可能性のある資格は、以下の3つです。
①管理栄養士
②TOIEC
③普通運転免許証
またよく必要と言われているが、不要な資格は以下の3つです。
①食品表示検定
②調理師
③フードコーディネーター
基本的には、加工食品メーカーへの新卒採用時に資格の有無で合否が決まるような場面は少ないです。
それよりも人事担当者は主に
「この人はうちの会社に合いそうか」
「長く働いてくれそうか」
といった、価値観・人間性を重視して採用を行います。
資格はその人を表すほんの1部分でしかないので、資格を取得するに至ったバックボーンをアピールするなど工夫が必要かと思います。
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編集長の
わっきーです